■ アーベントロートとフルトヴェングラーのエピソード ■

2005.12



これは、私の知人がある音楽家の方から直接聞いた話。
(一応念のため書くと、情報源は確かなんですが その方のご記憶に頼って書いた大分前のお話です。)

「アーベントロートとフルトヴェングラーの話なので、
境山のサイトで書いてもいいですか?」

と聞いてみて頂いて

「うん、いいよ」

と、つい先日言って頂いたので、メモとして書いておきます。
以下はその音楽家の方が、フリッツ・ライナーから直接聞かれた話なのだそうです。 (ドイツ語・英語、どちらでライナーに聞かれたかはまだ伺ってないです。)

この内容からすると、ライナーはアーベントロートから聞いたみたいです。

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ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(1886〜1954)がリューベックで振っておられた時期のこと。
(1911〜15年の間でしょうか。)

ヴィルヘルム・フルトヴェングラーは、3つ年上のヘルマン・アーベントロート(1883〜1956)に


「俺、今狙ってる女の子いるんで、かつらにしようと思ってんだ。
新聞にも (頭のてっぺんが段々禿げてきてる似顔絵を) 描かれたし。」

と訊いたら、アーベントロートは

「・・・・・やめとけ。お前は有名人だ。
お前の名前は、親父のせいで広まってんだから。」

と止めたそうな。


この頃の2人は、そんな話が出来てしまうくらい親しい関係であった
・・・てことでしょうか。


(ヴィルヘルム・フルトヴェングラーのお父さんは、当時、超有名だった 考古学者アドルフ・フルトヴェングラーで1907年10月に54歳で没、だそうですから、 この話の頃はもう亡くなっておられますね。この時期はまだ息子より父の方が有名だったみたいだ。)




フルトヴェングラー、若い頃には御自分の頭のこと 実は結構気にしておられたみたいですね。




私自身は、調べ物のための本は色々探して読むのですが 音楽雑誌とか余り読まないもので、この話がどこかで既に出てた話なのかどうか 厳密には分からないんですが、初めて聞く話でした。


先日初めて 「フルトヴェングラー その生涯の秘密」(DVD) を観ました。 20代の頃のフルトヴェングラーの写真も色々見ることが出来ましたが、 やっぱ、おでこ広いなぁ、という印象。 フルトヴェングラーのリューベック時代のお話の際に 似顔絵が色々出てくるんですが、確かに、 髪の毛が寂しくなってきてる辺りが絵で描かれてました。




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